動画講座・電子書籍・テンプレートなど、自分のコンテンツを商品にして売るまでの流れを解説します。

Pricing

値付け

価格設定の3つの方法 コスト・競合・価値で比べる

目次
  1. コスト基準:かかった費用に利益を足す
  2. 競合基準:似た商品の相場に合わせる
  3. 価値基準:買う人にとっての価値から決める
  4. 3つを組み合わせる手順
  5. 3つの方法が向く場面の違い
  6. 初めての人が陥りやすい考え違い
  7. 値段の見せ方も選べる
  8. 価格を伝えるときに添える情報
  9. 次にやること

価格設定の方法は、大きく「コストから決める」「競合から決める」「価値から決める」の3つに分けられます。デジタルコンテンツでは、作る費用が少なく、コストだけでは値段が決めにくいので、競合と価値を中心に、コストは下限の確認として使う組み合わせが現実的です。

3つの方法を理解しておくと、値段の根拠を自分で説明できるようになり、迷いが減ります。

コスト基準:かかった費用に利益を足す

コスト基準は、商品を作って売るのにかかった費用に、欲しい利益を足して値段を決める方法です。物を作って売る商売では、基本の考え方になります。

デジタルコンテンツのコストには、次のようなものがあります。

  • 制作にかかった時間(自分の時間もコストとして考える)
  • 道具やソフト、素材の費用
  • 販売サービスの手数料や、決済の手数料
  • 販売後の質問対応や更新にかかる時間

この方法の長所は、損をしないラインが分かることです。短所は、買う人の価値と関係なく決まる点です。時間をかけて作ったから高く売れるとは限らず、短時間で作ったから安くしなければならないわけでもありません。

そのため、コスト基準は、「これより下げると続けられない」という下限を知るために使います。

競合基準:似た商品の相場に合わせる

競合基準は、似た商品がいくらで売られているかを調べ、その範囲に収める方法です。買う人は、他の商品と見比べるので、相場から大きく外れると説明が必要になります。

進め方は次のとおりです。

  1. 似た商品を3〜5個探す
  2. 値段と内容(量、形式、特典)を並べる
  3. 自分の商品が、内容の面でどこに位置するかを考える
  4. 相場の範囲内で値段を決める

長所は、買う人が受け入れやすい値段を選べることです。短所は、相場に引きずられて、自分の商品の独自の価値を見落とすことです。競合が安いからと同じ水準にすると、利益が出なくなることがあります。

価値基準:買う人にとっての価値から決める

価値基準は、買う人が得られる価値を軸にして、値段を決める方法です。たとえば、買う人が「自分で調べたら10時間かかる内容」を手に入れるなら、その10時間に見合う金額が、考える出発点になります。

価値の見方には、次のような切り口があります。

  • 時間を節約できる
  • 失敗や遠回りを避けられる
  • すぐ使える型や道具が手に入る
  • 質問や相談など、個別の支援が受けられる

この方法の長所は、競合が多くても、独自の価値があれば、相場より高い値段を説明できることです。短所は、価値を数値にしにくく、思い込みで高くつけてしまう危険があることです。価値は、買う人の言葉で確かめる必要があります。

3つを組み合わせる手順

実際には、3つの方法を順番に使います。

  1. コスト基準で、下限を確認する
  2. 競合基準で、相場の範囲を把握する
  3. 価値基準で、相場の中のどこに位置づけるかを決める

たとえば、下限が1,000円、相場が1,500〜5,000円の場合、自分の商品が相場の中でも詳しい内容なら、3,000〜4,000円あたりを候補にします。この数字は説明のための例で、実際の値段は商品の内容によって変わります。

3つの結果が大きく食い違うときは、商品の内容か、対象の見直しが必要なサインです。

3つの方法が向く場面の違い

それぞれの方法には、向いている場面があります。

コスト基準は、手作業でお客さんに対応する比重が高い商品(個別の添削や相談が付く講座など)に向いています。自分の時間が直接コストになるので、1件あたりにかかる時間から下限を出せます。

競合基準は、商品の種類がはっきりしていて、似た商品が多い分野に向いています。電子書籍やテンプレートのように、買う人が比較しやすい商品では、相場の影響が大きくなります。

価値基準は、競合が少ない分野や、独自の切り口がある商品に向いています。他にない内容なら、相場にとらわれずに考えられるからです。ただし、価値を証明する材料(サンプル、目次、実際に使った感想など)が必要になります。

初めての人が陥りやすい考え違い

価格設定でよくある考え違いは、次の3つです。1つ目は、「安ければ売れる」という思い込みです。安さだけで選ぶ人もいますが、内容の質を重視する人も多くいます。2つ目は、「高ければ品質が高く見える」という思い込みです。内容が伴わない高価格は、不満や返金の要望につながります。3つ目は、「一度決めたら変えられない」という思い込みです。実際には、反応を見ながら調整するのが普通です。

値段の見せ方も選べる

同じ値段でも、見せ方で印象が変わります。

  • 切りのよい数字にして分かりやすくする
  • 内容を要約し、1日あたり、1章あたりの値段に言い換えて見せる
  • 期間限定の初回価格を設ける
  • 複数のプランを並べて、選べるようにする

ただし、見せ方で買う人を誤解させるのは避けます。たとえば、実際に売ったことのない「通常価格」を高く書いて、割引のように見せる表示は、誤解を招くおそれがあります。表示のルールについては、消費者保護の観点から決まりがあるため、詳しくは公的機関の案内や専門家に確認してください。

価格を伝えるときに添える情報

値段だけを提示するより、値段の根拠を添えると、納得してもらいやすくなります。たとえば「全5章、約60ページ、チェックリスト付き」のように、含まれる内容の量を具体的に書きます。値段と内容を並べて見せることで、買う人が自分で価値を判断できます。

また、支払い方法、受け取れる時期、返金の扱いも、値段のそばに書いておきます。購入の直前に疑問が残ると、迷って離れる人が増えるからです。

価格は、商品の「位置づけ」を表すものでもあります。入門向けの手頃な商品と、深く学びたい人向けの充実した商品では、値段の幅も変わります。1つの商品で全員に応えようとせず、対象に合わせて値段の水準を決めると、全体の説明がぶれません。

価格の相談相手としては、同じ分野で販売している人や、販売経験のある知人が頼りになります。数字を教えてもらえなくても、考え方を聞くだけで参考になります。

最後に、値段を決めるときは、「自分がその値段で買うか」も問いかけてみてください。自分なら買わない値段を他人に勧めるのは、後ろめたさにつながります。

次にやること

今日は、3つの基準で、それぞれ値段の候補を書き出してください。コスト基準の下限、競合基準の相場の範囲、価値基準で自分が考える値段を、3行で並べます。

その中から、販売を始める最初の値段を1つ選びます。理由を一文で書いておくと、後で見直すときの手がかりになります。選んだ値段で販売を始めたら、2〜4週間ほど反応を見て、必要があれば調整します。最初に決める値段は、完璧な答えである必要はありません。