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電子書籍の書き方 構成から原稿までの手順

目次
  1. 読者と、読み終えたあとの状態を決める
  2. 目次を先に作って、全体を見渡す
  3. 章ごとに下書きして、止まらず進める
  4. 読みやすい文章に整える
  5. 通して読んで、直す
  6. 書き進めるときに気をつけたいこと
  7. 書く時間を確保する工夫
  8. 完成の基準を決める
  9. 次にやること

電子書籍は、「読者と悩みを決める」「目次を作る」「章ごとに下書きする」「通して直す」の順に進めると、書き上げやすくなります。いきなり1ページ目から書き始めるより、先に目次を固めたほうが、途中で迷いません。

1冊の分量は、数万字の本格的なものから、1万字前後の手引きまで幅があります。初めてなら、1万〜2万字程度の短い本を目安にすると、完成までたどり着きやすくなります。

読者と、読み終えたあとの状態を決める

書き始める前に、誰に向けた本なのかを決めます。「副業に興味がある人」ではなく、「平日の夜に1時間だけ使える会社員で、何から始めるか迷っている人」のように、状況まで具体的に書きます。

次に、読み終えた人がどんな状態になっていてほしいかを一文で決めます。「自分に合う副業を3つに絞れている」のような、行動や判断の言葉が向いています。

この2つが決まっていると、章の内容を入れるか外すかで迷ったとき、判断の基準になります。読者の悩みに関係ない話は、どれだけ自分が書きたくても外します。

目次を先に作って、全体を見渡す

目次は、本の設計図です。章を5〜8個に分け、各章の下に小見出しを3〜5個並べます。この段階で、全体の流れに無理がないかを確かめます。

章の並びは、「悩みの共有」「全体像」「具体的な手順」「つまずきと対策」「次の一歩」という流れが基本です。読者が最初に感じている不安を取り除いてから、手順に入ると、受け入れられやすくなります。

目次ができたら、各小見出しの下に、書く内容を一行ずつメモします。この一行メモがあるだけで、実際の執筆はずっと楽になります。

章ごとに下書きして、止まらず進める

下書きでは、整った文章を目指しません。まず、各小見出しの下に、伝えたい内容を思いつくまま書きます。文末の言い回しや、細かい表現は後回しです。

進め方のコツは、次のとおりです。

  • 1日に書く量を決める(たとえば1,000字)
  • 書けない箇所は「ここに例を入れる」と印だけ残して先へ進む
  • 最初から順番どおりに書かず、書きやすい章から手をつける
  • 書く時間を毎日同じ時間帯に固定する

調べながら書くと時間がかかるので、調べものと執筆は分けます。調べた内容は、出典(どの資料か)をメモしておきます。数字や制度を書くときは、公的機関や公式の発表で確認できるものだけを使い、自信がなければ数字を出さないようにします。

読みやすい文章に整える

下書きが終わったら、読み手の目で整えていきます。1文は短く、1段落は1〜3文を目安にします。画面で読む電子書籍では、改行や余白が多いほうが読みやすくなります。

見出しは、中身が分かる言葉にします。章の最初に「この章で分かること」を数行で書くと、読者が全体を把握しやすくなります。

専門用語は、初めて出すときに説明を添えます。説明なしに使うと、初心者は置いていかれてしまいます。具体例を入れる場合は、実在の人物の体験談に見せかけた作り話を書かないようにします。例として作ったものであることを明記すれば、問題ありません。

通して読んで、直す

全体を書き終えたら、いったん時間をおきます。1日か2日あけると、書いたときには気づけなかった粗が見えてきます。

直すときの確認項目は次のとおりです。

  1. 同じ内容を、章を変えて繰り返していないか
  2. 誤字脱字、言葉の揺れ(同じ意味で表記が違う)はないか
  3. 数字や固有名詞に、間違いがないか
  4. 断定しすぎた表現や、誇張がないか

可能なら、友人や知人に一度読んでもらいます。読者の目で見てもらうと、「ここが分かりにくい」という指摘がもらえます。声に出して読み上げると、不自然な文のリズムにも気づけます。

書き進めるときに気をつけたいこと

書いていると、途中で「この内容で本当に価値があるのか」と不安になる時期が来ます。ほとんどの書き手が通る道なので、気にしすぎないでください。不安になったら、読者の人物像と、読み終えた状態の一文に戻ります。その一文に合っている内容なら、自信を持って書き進めて構いません。

また、本の冒頭と終わりには、特に時間をかけます。冒頭では、読者が最初に抱える疑問に、2〜3文で答えます。前置きや自己紹介を長く書くより、先に答えを示したほうが、読み進めてもらえます。終わりの章は、内容の言い直しではなく、読み終えた人が次にやることを、具体的に書きます。「今日、紙に3つ書き出す」のような、小さな行動が適しています。

誇張した表現は避けます。「成功する」「簡単にできる」といった言い切りは、読者の期待を高めすぎて、後の不満につながります。結果を約束せず、手順と考え方を丁寧に伝えます。

書く時間を確保する工夫

本業がある人は、まとまった時間を取りにくいものです。そういうときは、通勤の電車の中でスマホに構成メモを書く、昼休みに10分だけ下書きする、寝る前に翌日書く内容を決めておく、といった小さな時間を積み重ねます。

書く場所と時間を固定すると、習慣として定着します。机に座ったら書き始める、という流れを作ると、「何から始めよう」と迷う時間が減ります。

進み具合は、カレンダーに書いた字数を記録して見えるようにします。数日休んでしまっても、自分を責めず、次の日から再開します。長く続けることのほうが、一度に多く書くことより大切です。

完成の基準を決める

書き上げの終わりが見えなくなる原因は、完成の基準が曖昧なことです。「目次の全項目を書き終え、一度通して読み、誤字と事実を確認した」ところで、第1版の完成とします。

それ以上の改善は、販売して読者の反応を見てから、改訂版に反映します。電子書籍は、内容を更新して差し替えられる利点があるため、第1版は7〜8割の仕上がりで出す決断も可能です。

書き終えた原稿は、バックアップを取っておきます。パソコンの故障や操作ミスで、数週間分の原稿を失う事故は珍しくありません。クラウド上の保存先と、手元のファイルの両方に、日付つきで残す習慣をつけてください。書き直す前の版も残しておくと、元の言い回しに戻したくなったときに助かります。

原稿の途中でも、完成した章から順に、信頼できる人に読んでもらうと励みになります。

次にやること

今日は、読者を一文で描き、目次を5章分だけ書いてみてください。章の題名と、各章で書く内容の一行メモまで作れば、1時間ほどで終わります。

明日は、いちばん書きやすい章を選び、1,000字だけ下書きします。1,000字を毎日書けば、20日ほどで2万字になります。完成までの道のりが見えると、取りかかる気持ちも軽くなります。出版や販売の方法は、原稿の見通しが立ってから、ゆっくり検討すれば十分です。