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PDFで電子書籍を作る方法 無料ツールで整える

目次
  1. PDFで作るメリットと注意点
  2. ページの大きさと余白を決める
  3. 表紙・目次・本文の順に作る
  4. 図や表を入れるときのコツ
  5. PDFに書き出して、確認する
  6. 読者に配慮した追加の工夫
  7. 色と書体の選び方
  8. 読み物としての見栄えを整える
  9. 次にやること

PDFの電子書籍は、無料の文書作成ソフトや資料作成ソフトがあれば作れます。ページの大きさ、文字の大きさ、余白の3つを決めるだけで、見た目はかなり整います。専用の出版ソフトを買う必要はありません。

ここでは、環境の選び方から、書き出し後の確認まで、手順に沿って紹介します。

PDFで作るメリットと注意点

PDFは、どの端末でも同じレイアウトで表示されやすい形式です。パソコン、スマホ、タブレットで、文字の位置が崩れにくい点が長所です。ファイルとして渡せるので、販売や配布もしやすくなります。

一方で、画面の大きさに合わせて文字が自動で並び直されるわけではありません。スマホで読む人が多い場合は、ページの大きさと文字の大きさを、最初から小さい画面向けに設計します。

また、PDFは作りやすい反面、コピーや転送もされやすい形式です。購入者の利用範囲を販売ページに書いておくなど、事前の案内が大切です。

ページの大きさと余白を決める

最初に、ページの設定をします。スマホで読む想定なら、A4よりも、やや縦長で小さめのサイズが読みやすくなります。パソコンで読む人が中心なら、A4の横向きも選べます。

余白は、上下左右に十分な幅をとります。余白が狭いと、画面で見たときに窮屈で、疲れやすくなります。

おおよその目安は次のとおりです。

  • 文字の大きさ:本文は12〜14ポイント程度
  • 行の間隔:文字の大きさの1.5倍前後
  • 1ページの文字数:多くても800字程度

数字はあくまで目安で、実際に自分のスマホで開いて、読みやすいかを確かめながら調整します。

表紙・目次・本文の順に作る

表紙は、題名、サブタイトル、著者名の3つがあれば十分です。凝った絵は不要で、文字を大きく置くだけでも、きちんとした印象になります。画像を使う場合は、自分で撮った写真か、商用利用が許されている素材に限ります。

目次は、章の題名とページ番号を並べます。多くの文書作成ソフトには、見出しの設定から自動で目次を作る機能があります。見出しを正しく設定しておけば、ページ番号のずれも防げます。

本文は、見出しと段落の見た目を統一します。章の見出しはやや大きく、小見出しはそれより小さく、というように、階層を揃えます。途中で書式が変わると、読者に雑な印象を与えます。

図や表を入れるときのコツ

図やスクリーンショットは、理解を助けます。入れるときは、ページの幅に収まる大きさにし、必要なら矢印や枠で、見てほしい所を示します。

画像のサイズが大きすぎると、PDFのファイルが重くなり、読み込みに時間がかかります。入れる前に、画像を適度な大きさに縮めておきます。

表は、短い言葉だけでまとめます。長い文章を表の中に入れると、スマホでは横にはみ出して読みにくくなります。1冊に入れる表は、必要な数に絞ります。

ソフトの画面を載せる場合は、利用規約で許可されている範囲かを確認します。個人情報やメールアドレスが映り込んでいないかも、見直します。

PDFに書き出して、確認する

書き終えたら、PDFとして書き出します。ほとんどの文書作成ソフトに、「PDFとして保存」や「エクスポート」の機能があります。

書き出した後は、別の端末で開いて確かめます。確認する項目は次のとおりです。

  1. 文字がずれていないか、改ページの位置は自然か
  2. 画像が欠けたり、ぼやけたりしていないか
  3. 目次のページ番号が、本文と合っているか
  4. スマホで開いたとき、文字が小さすぎないか

直しが見つかったら、元のファイルを修正して、再度書き出します。PDFを直接編集するより、元データを直すほうが、崩れが少なくなります。ファイル名は、版が分かるように「題名_第1版」のように付けておくと、後で管理しやすくなります。

読者に配慮した追加の工夫

PDFには、いくつかの便利な機能があります。目次の項目をクリックすると、該当ページに移動するリンク機能です。長い本では、読者が読みたい章へすぐ飛べるので、使い勝手が大きく変わります。多くの文書作成ソフトは、見出しを正しく設定していれば、書き出し時に自動でリンクを付けられます。

また、文字を選択して検索できる形で書き出すことも大切です。文章を画像にして貼りつけてしまうと、検索やコピーができず、スマホで拡大したときにぼやけます。文字は文字のまま残してください。

ファイルの大きさにも気を配ります。数十メガバイトを超えるようなファイルは、ダウンロードや表示に時間がかかり、通信量を気にする人には不便です。画像を減らす、画像を縮める、といった工夫で、軽くできます。

色と書体の選び方

色は、多くても3色に絞ります。本文は黒に近い濃い色、見出しは1色、強調は別の1色、という分け方が基本です。背景を濃い色にして白い文字を使う場合は、長時間読むと目が疲れやすいので、本文には白地が向いています。

書体は、読みやすいものを選びます。本文には、癖の少ない標準的なものを使い、見出しだけに少し太い書体を使うと、メリハリがつきます。凝った書体は、本文では読みにくくなりがちです。また、書体によっては、商用利用や、PDFへの埋め込みに条件があります。使う前に、利用条件を確認してください。

読み物としての見栄えを整える

最後に、ページ番号と、奥付(本の最後に置く情報)を入れます。奥付には、題名、版、発行日、著者名、連絡先、利用条件(コピーや転売を禁止する旨など)を書きます。連絡先は、公開してよいメールアドレスなどを使い、自宅の住所を書く必要はありません。

こうした細部まで整えると、買った人に「きちんと作られた商品だ」という印象を与えられます。小さな手間ですが、評価に響く部分です。

書き出したPDFには、閲覧用のパスワードや、印刷の制限を付ける機能もあります。ただし、こうした制限は、完全にコピーを防げるわけではありません。設定すると、買った人が開くのに手間取ることもあるため、付けるかどうかは、メリットと不便さを比べて決めてください。多くの場合は、利用条件の明記と、購入者ごとの案内で十分に足ります。

次にやること

今日は、自分のスマホと文書作成ソフトを用意して、1ページだけ試しに作ってみてください。ページの大きさを決め、本文を12ポイントで入れ、PDFに書き出します。

書き出したPDFをスマホで開いて、文字の大きさと余白を確かめます。読みにくければ、文字を少し大きくして、もう一度書き出します。この「1ページの試作」を済ませておけば、本編を書いたあとの調整で慌てずに済みます。レイアウトの型ができたら、それを雛形として保存し、次の電子書籍にも使い回せます。