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AIで電子書籍の下書きを作るときの使い方と注意点

目次
  1. AIを使うのに向いている作業
  2. 指示の出し方で、出力が変わる
  3. 事実の確認は、自分でする
  4. 自分の経験で、独自の中身にする
  5. 利用規約と権利を確認する
  6. AIとの分担の目安
  7. 指示文を育てていく
  8. 避けたい使い方
  9. AIで作ったことの開示について
  10. 次にやること

AIは、電子書籍の目次案づくりや、下書きの叩き台に使えます。ただし、AIが出した文章をそのまま売るのではなく、事実の確認と、自分の経験を加える作業が欠かせません。AIは下書きを速くする道具で、中身の責任は書く人にあります。

ここでは、使いどころ、指示の出し方、確認すべき点、そして独自性の出し方を紹介します。

AIを使うのに向いている作業

AIが得意なのは、材料を整理したり、案を出したりする作業です。電子書籍づくりでは、次のような場面で役立ちます。

  • 目次案を複数出してもらい、比べる
  • 読者の悩みを、いくつかの切り口で整理する
  • 下書きの叩き台を作ってもらい、手直しする
  • 長い文章の要点をまとめる、言い回しを整える

手作業で数時間かかる構成の検討が、数十分に縮まることがあります。一方で、AIに「この本を書いて」と丸投げすると、一般的で当たり障りのない内容になりがちです。

指示の出し方で、出力が変わる

AIには、次の情報を伝えると、役立つ答えが返ってきやすくなります。

  1. 読者(誰に向けた本か、どんな状況か)
  2. 目的(読み終えた人にどうなってほしいか)
  3. 分量と形式(章の数、1章の字数、箇条書きの有無)
  4. 避けたいこと(誇張した表現、作り話、専門用語の多用)

たとえば「会社員が副業を選ぶための手引き、5章構成、各章に小見出し3つ」のように具体的に頼みます。出てきた案が合わなければ、「もっと初心者向けに」「手順を中心に」と、追加の指示を重ねます。

一度で完璧な答えを求めず、何度かやり取りして、自分の考えに近づけていきます。

事実の確認は、自分でする

AIは、もっともらしい間違いを出すことがあります。存在しない制度名、古い情報、出典のない数字などが混ざる場合があります。

販売する本では、次の点を自分で確認します。

  • 数字や統計は、公的機関や公式の発表で裏を取る
  • 制度や法律の話は、最新の公式情報で確かめる
  • ツールの機能や料金は、公式サイトで確かめ、「執筆時点」と断る
  • 固有名詞(人名、会社名、書名)の綴りや実在を確かめる

確認できなかった内容は、削るか、断定を避けた書き方に直します。法律や税金、医療に関わる部分は、一般論にとどめ、専門家への相談をすすめる一文を添えます。

自分の経験で、独自の中身にする

AIが出した文章は、同じ質問をした他の人にも似た内容が出ることがあります。そのまま売ると、他の本と区別がつかなくなります。

独自性を出すには、AIが持っていない情報を足します。

  • 自分が実際に試した手順と、その過程の気づき
  • 自分が作った表やチェックリスト
  • 自分の言葉で書いた、判断の基準や選び方
  • 読者を具体的に思い描いて選んだ、順番や取捨選択

AIの文章は材料として使い、全体を読み返して、自分の言葉に書き換えます。書き換える過程で、考えが整理され、本の質も上がります。

利用規約と権利を確認する

AIで作った文章を商品として販売できるかどうかは、使うサービスの利用規約で決まります。商用利用の可否、出力の権利の扱い、禁止されている使い方は、サービスごとに異なり、変更されることもあります。

販売する前に、使っているサービスの最新の規約を読んでください。また、販売する場所(電子書籍のストアや販売サービス)に、AIの利用に関するルールがある場合もあるので、そちらも確認します。

AIが出力した文章が、既存の作品と似てしまう可能性もゼロではありません。気になる箇所は、検索して似た文章がないかを確かめます。他人の文章を無断で使うことは、著作権の問題につながります。

AIとの分担の目安

作業をAIに任せる部分と、自分でやる部分を分けておくと、迷いません。目安は次のとおりです。

作業 分担
目次案の洗い出し AIに案を出してもらう
読者と目的の決定 自分で決める
下書きの叩き台 AIに頼み、手直しする
事実の確認 自分でする
体験や考えの追加 自分で書く
誤字の確認 AIと自分の両方で見る

この分担を守ると、時間を節約しながら、内容の責任を自分で持てます。

指示文を育てていく

最初に出てきた文章が気に入らなくても、あきらめる必要はありません。指示文を少しずつ直しながら、何度か試します。「文を短くして」「専門用語を減らして」「中学生にも分かる言葉で」「箇条書きを増やして」など、直したい点を一つずつ伝えると、出力が近づいていきます。

うまくいった指示文は、メモに残して、次の章でも使い回します。章ごとにゼロから考え直すより、同じ型の指示文を使うほうが、文体が揃いやすくなります。ただし、AI特有の言い回し(同じ書き出しの繰り返し、まとめ口調など)が残りやすいので、読み返して、自分の言葉に直す作業は欠かせません。

避けたい使い方

次のような使い方は、後でトラブルのもとになります。

  • 他人の本や記事を丸ごと入力して、言い換えさせる
  • 実在しない体験談や口コミ、数字を作らせて載せる
  • 確かめていない事実を、そのまま断定で書く
  • 同じ内容の本を大量に作って売る

特に、存在しない「利用者の声」や「調査結果」を作ることは、読者をだます行為になります。事例を入れたい場合は、「例として作ったもの」と明記するか、自分が実際に試した内容だけを書きます。

AIで作ったことの開示について

AIをどこまで使ったかを、読者に伝えるかどうかは、販売する場所のルールや、自分の考え方によります。販売する場所が開示を求めている場合は、従います。求められていなくても、AIを下書きに使ったことを正直に書いておくと、信頼を損なうリスクを減らせます。

また、AIに入力する内容にも注意します。他人の個人情報や、守秘義務のある情報、未公開の資料を入力するのは避けてください。

最後に、AIの性能や使えるサービスは、短い期間で変わっていきます。この記事に書いた使い方は、考え方の土台として読み、具体的な機能は、使う時点の公式の説明で確かめてください。どのサービスを使う場合でも、最終的に読者へ届けるのは自分の名前で出す文章です。内容に責任を持ち、確かめられたことだけを書く姿勢を、いちばん大切にしてください。

この手順を一度やっておけば、次の本からは、さらに短い時間で下書きに進めます。

次にやること

今日は、AIに「読者」「目的」「章の数」を伝えて、目次案を3パターン出してもらってください。出てきた案を比べ、自分の考えに合う章を選んで、組み合わせます。

次に、1つの章だけ、AIに下書きを書いてもらいます。その文章を、事実の確認と、自分の経験の書き足しで直します。この1章を仕上げる作業で、どこまでAIに任せられるか、どこから自分で書くべきかの感覚がつかめます。その感覚をもとに、残りの章の進め方を決めます。